頭の中がウニですので。

本家ブログ(https://cissie.at.webry.info/)に書ききれない、長文になりそうなものを、こちらでひっそり書き連ねます。

珈琲と私。

ガラス製のコーヒーサイフォン。

アルコールランプに火をつけると、

水面とガラスに炎のオレンジ色が映って

何とも言えず美しい。

いつの間にか色が変わって辺りには

コーヒーのいい香りが立ち込める。

 

 

私は、コーヒーが苦手だ。

正確に言うと、味が苦手であって、香りは好き。

 

 

ガラス製のコーヒーサイフォンは

父が好きで買っていて、

私が小さいころの休日といえば、

このコーヒーサイフォンが必ず出てきた。

コーヒーが出来上がるまで眺めているのが楽しくて大好きな時間だった。

 

もちろん、私は

「コーヒーは大人の飲み物だから」という理由で

飲ませてもらえなかったのだけど、

一度、ちょっと舐めてみて、

経験したことのない味にびっくりして

そこから、コーヒーは香りをかぐだけにしよう、と思ったのだ。

 

ちなみに、ビールを初めて飲んだ時も

その大人な味にびっくりする

…人がいるそうだが、

私は何とも思わなかった。

さいころは大人が飲んでたら泡もらってたし

(時効)。

その違いって何だろう。

 

決定的にコーヒー嫌いになったのは、

小学生の時、祖母の家で。

祖母の家はコーヒー大好きだったし、

ワンコも大好きだった。

居間に座って、

目の前に出されたのはブラックコーヒー。

そして、座卓の向かいに座るのはワンコ。

そのワンコがブラックコーヒーを舐めていたのだ、目の前で。

犬は好きだけれど、飼ったことがない私は、

今でこそ犬にコーヒーはダメ、とはわかるけど、

当時は知らず。

私の中に生まれたのは、ワンコに負けられるか!!という気持ちだった。

初めて飲み干したブラックコーヒーは

本当に・・・苦かった。

二度と飲むものかと誓った日だった。

 

それと・・・私の変な思い込みが

コーヒー嫌いを増長させたとも言える。

父は、某紅茶関係の会社に勤めていたので、

私は小さいころから紅茶をよく飲んだ。

父の仕事が大好きな紅茶のお仕事、

というのが子供心にうれしかったのか

『紅茶会社の娘たるもの、

   紅茶を飲まずしてなんとする!

   コーヒーは敵!』

という妙な使命感?があったのは確か。

付け加えるが、父は社長でも何でもなく、一社員である。

 

そこから私はコーヒーはほぼ飲まず。。

飲んでも、コーヒー1割、牛乳9割の状態を甘くしたものくらいで過ごし・・

転機は大学卒業後に訪れる。

某学校でのピアノのレッスンの日は、自分のレッスンのほかに

同門の先輩方、後輩のレッスンも聴くのが当たり前だったので、

長時間に及ぶ。

なので、合間に休憩と称してコーヒータイムがあったのだ。

下級生のわたしは(先生の)お金を握りしめて

近くの小さなカフェに人数分のテイクアウトを買いに行くのだけれど、

私一人だけオレンジジュースで通していた。

当時はカフェオレも、イマイチわからなくて頼めなかったのだ。

 

ある日、あまりにそれがおかしかったのか、先生に理由を聞かれて

コーヒーが苦手、ほぼ飲んだことないと答えたら

「いい年しておこちゃまね~ カフェオレなら大丈夫よ~」

と笑い飛ばされたのだった。

それが悔しく、また背中を押されて、

次からはカフェオレを頼み・・

そこで初めてカフェオレって美味しいんだ!と気づいた。

私、コーヒー飲めるんだ!と思った瞬間だ。

おかげさまで今では

時間のある時にカフェで飲むのが

息抜きの一つにまでなった。

 

といっても、やはりカフェオレが主で、

ブラックはたまに付き合い、もしくは

「ミルク頂けますか」と言えない弱い自分が出てきたとき(笑)にしか飲まない。

 

そんな状態なので、

コーヒーの味の違いは正直わからない。

酸味があるのが嫌い、ということは薄々わかってきたけれど、

いまだに、カフェオレとカフェラテの違い、

ブレンドアメリカンの違いは、

説明を聞いた時はわかるけれど、すぐに忘れる。

AB型は、わざとじゃなくて、

無意識に興味のないことはスルーする、とどこかで読んだので

そのせいだということにする。

 

そういえば、カフェラテを好んで飲むようになったときに、

当時よく練習伴奏に通っていたメゾの先生に

「イタリアではデミタスカップに濃いエスプレッソを入れて、

お砂糖たっぷり入れて飲むのよ~これで健康よ~」

と言われて、何度か無理やり飲まされていた時があった。

私としてはコーヒー苦手、とお伝えしたかったのだけど、

とにかく飲み干すまで、隣で立たれている圧がすごくて(笑)

結局飲み込んだ日々だった。

もしかしたらその経験で少し飲めるようになった・・のかな?

エスプレッソはいまだに手を出せないけど。

 

 

今では無くなってしまった

ガラスのコーヒーサイフォンは憧れだし、

ちょっと古めかしい喫茶店

おしゃれなカップでコーヒーを飲むのも憧れる。

いつかそんな日が来るだろうか。

 

            ~この年齢にして、やっと

                       ブルーマウンテンが嫌い、

                                    とわかった記念日に~